診断基準
A. 症状
- 難治のてんかん発作(新生児期から乳幼児期に発症)
- 不全片麻痺
- 精神発達遅滞
B. 検査所見
- 血液・生化学的検査所見:
- 特異的所見なし。
- 画像検査所見:
- 早くは新生児期又はその後の頭部CT/MRIにて患側大脳半球が全体的あるいは部分的(二葉以上)に巨大化している。
- 生理学的所見:
- 脳波では、患側に焦点性突発性異常波をみることが多い。一見左右差に乏しく、全般性にみえる場合もある。
- 病理所見:
- 大脳皮質構造の乱れ、異型で未熟な神経細胞の多数出現、異所性神経細胞、グリオーシスなどがみられ、神経細胞系及びグリア細胞系両方の分化・遊走・成熟障害と考えられる所見。
C. 鑑別診断
巨大化しない片側性大脳皮質形成障害、限局性皮質異形成、左右差のある多小脳回、腫瘍性病変(グリア系腫瘍)など。
診断のカテゴリー
B. 画像検査で、片側大脳半球の二葉以上が対側より大きい所見があれば確定診断とする。
A. の症状のうち、1つ以上を合併するが、病初期にはみられないこともあり、診断時に必須とはしない。
参考文献
- 佐々木征行.片側巨脳症.希少てんかんの診療指標.日本てんかん学会, 東京, 診断と治療社, 2017:124-126.
対象の基準(疾病の状態の程度)
運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
- 版
- :第1版
- 更新日
- :2021年11月1日
- 文責
- :日本小児神経学会