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点状軟骨異形成症(ペルオキシソーム病を除く。)

てんじょうなんこついけいせいしょう(ぺるおきしそーむびょうをのぞく。)

Chondrodysplasia punctata, excluding Peroxisomal disorders

告示番 号18
疾病名点状軟骨異形成症(ペルオキシソーム病を除く。)
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概念・定義

骨端軟骨とその周囲軟部組織の点状石灰化像を呈する疾患群の総称であり、多くの疾患を含んでいる。
X染色体優性Conradi-Hünermann型点状軟骨異形成症(CDPX2)、X連鎖性劣性末節骨短縮型点状軟骨異形成症(CDPX1)、
CHILD症候群(先天性片側異形成、魚鱗癬、四肢欠損)、Keutel症候群、Greenberg骨異形成症、近位肢型点状軟骨異形成症、
脛骨・中手骨型点状軟骨異形成症、Astley-Kendall骨異形成症を点状軟骨異形成症グループと定義し、
CDPX1と同様の末節骨短縮型の点状軟骨石灰化を呈する症候群もある。またワルファリン胎芽症、ビタミンK欠乏症、
SLE胎芽症などの症候性の点状軟骨石灰化症も存在する。個々の基礎疾患により種々の大きく異なった病態を呈する。
ペルオキシソーム病は先天性代謝異常で別途対象となっているため、本疾病からは除く。

病因

CDPX2とCHILD症候群、Greenberg骨異形成症はコレステロールの合成障害であり、CDPX1はアリルスルファターゼEの欠損、
近位肢型点状軟骨異形成症はペルオキシソーム酵素の欠損により生じる。ビタミンKの代謝異常やワーファリン胎芽症、
全身性エリテマトーデス胎芽症などでも、末節骨短縮型の点状軟骨石灰化を呈する。また、染色体異常症(トリソミー21など)、
アルコール胎芽症、抗けいれん薬胎芽症なども、症候性の点状軟骨石灰化を呈することがある。

疫学

本邦での患者数は不明であるが、日本整形外科学会骨系統疾患全国登録によれば、1990-2015年の26年間に67例が登録されている。

臨床症状

出生時から乳児期にかけて、骨端軟骨とその周囲軟部組織に点状石灰化像を呈し、その像は乳児期から幼児期早期に消失し、
骨端核は骨端異形成のように出現が遅滞し、変形や形成不全が生じる。鼻骨低形成による鼻根部の平坦と短い鼻を呈し、
眼瞼斜上を認める。また、低身長もすべての型で共通する。
疾患ごとに多様な症状があり、魚鱗癬様皮膚病変、部分脱毛、白内障、四肢非対称、感音性難聴、爪低形成、末節骨低形成、
関節変形や関節拘縮、脊椎変形、脊柱管狭窄、環軸椎不安定、呼吸障害、出血傾向、精神発達遅滞、先天性心疾患、
先天性腎異常などがみられる。本邦での患者数は不明であるが、日本整形外科学会骨系統疾患全国登録によれば、
1990-2015年の26年間に64例が登録されている。

検査所見

X線所見
  • 骨端軟骨とその周囲軟部組織の点状石灰化
  • 脊椎周囲の点状石灰化

診断の際の留意点

脊椎の石灰化はCDPX2や脛骨・中手骨型でしばしば認められるが、近位肢型では稀である。
椎体の冠状裂(coronal cleft)はCDPX1や脛骨・中手骨型では限局的に認めることがあるが、近位肢型で広範に認めることが多い。
末節骨の低形成はCDPX1や脛骨・中手骨型を示唆する。

治療

根治治療は確立しておらず、個々の症例における対症療法が行われる。
頸椎椎体の骨化遅延や後弯変形、脊柱管狭窄、環軸椎不安定性は、頸髄症を発症することがある。
また、骨端部の点状石灰化は幼児期には消失して骨端異形成の様相を呈し、早発性の変形性関節症を発症する。
さらにCDPX2では四肢非対称を呈することがある。それらに対し脊椎手術、関節手術、骨延長術など整形外科的な治療が必要となる。

合併症


  • 白内障や魚鱗癬様皮膚病変(CDPX2、近位肢型)
  • 部分的脱毛(CDPX2)。
  • ビタミンK代謝異常に伴う出血傾向、凝固異常
  • 重症例では呼吸障害

予後

Greenberg骨異形成症およびAstley-Kendall骨異形成症は周産期に死亡する。
CDPX2では症例により重症度が異なり、新生児期を乗り越えれば生命予後は良好である。
CHILD症候群は胸郭の低形成や進行する側彎により心肺機能の低下があり、予後は悪化する可能性がある。
CDPX1は一般的に予後は良いが、新生児期から起こりうる頸椎の異常が予後を悪化させる場合がある。
脛骨・中手骨型点状軟骨異形成症は予後良好である。

成人期以降の注意点

成人期以降の長期予後についてのデータ集積はない。しかし、骨端異形成に伴う早発性の変形性関節症が成人期以降にADLを低下させる可能性がある。
また、脊柱変形に伴う脊柱管狭窄症、脊髄症の発症にも注意を要する。

参考文献


  • 日本整形外科学会作成の診断基準
:バージョン1.0
更新日
:2017年3月17日
文責
:日本小児整形外科学会
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